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I-DeA君のソウル・カヴァー・アルバムに客演

一昨日、僕は都内の某スタジオで、日本のR&B/Hip Hopの若手の鬼才プロデューサーで“Edit Master”の異名を持つ I-DeA(アイデア)君のアルバム作品への1曲を、歌とカズーの演奏で録音してきた。この作品は、アメリカの70年代から80年代のソウル・ミュージックのカヴァー・アルバムで、4月に徳間Japanから“Recover”というタイトルで発売される予定。僕の他に参加しているシンガーは、Jay’edやJamosa等といった現在の国内クラブ・シーンでブレイク中、あるいは今後のブレイクが期待される若手シンガーばかりだ。参加者中ただ一人の非若手の僕はI-DeA君からの提案で、Patrice Rushenの歌う往年のディスコ・ヒット曲の Forget Me Not を録音した。

こういうカヴァー曲の制作に大切なのは、オリジナル曲の質感を損なわぬようにしつつ、カヴァー制作スタッフ(今回の場合はI-DeAとORITO)の個性も光らせる、ということだろう。Patrice Rushenは女性シンガーで声も優しく哀愁を帯びたところが魅力なので、僕はそんな彼女に敬意を表して、自分の歌声の中で最も彼女の歌声にムードが近いと思われる「ファルセット(裏声)」をメインに歌入れをすることにした。

I-DeA君と録音仕事するのは、彼が録音エンジニアとして参加したDJ刃頭の2作品での僕の客演を含めて、これが3度目だ。お互い気心も知れているし録音の進め方もわかっているから、やり易いのなんのって。だから、オリジナル曲に忠実に再現すべき箇所、つまり「押さえどころ」の歌など、わずか30分ほどであっさり録れてしまった。
「さてと。I-DeA君。時間はまだたっぷりあるし、押さえどころはちゃんと押さえたから、ここから先の歌入れは自由にやろうぜ。俺がやり過ぎたら、ストップしてくれて構わないし編集の段階でボツにしてくれていいから、あとはしばらく俺に遊ばせてくれよ。」と僕。

I-DeA君の反応も、どうぞどうぞ!みたいな感じだったので、それからは、マーヴィン・ゲイみたいな多重バック・コーラスやら、プリンスみたいなシャウトするファルセットやら、ディアンジェロみたいな煙いフェイクやらを重ねていった。そうするにつれて、I-DeA君や録音エンジニアの人がどんどん笑顔になっていくのがわかったので、根が芸人の僕は、「それでは、これもご披露しましょうか?」と、ついには伝家の宝刀 カズー を取り出し、曲の間奏で予定外のカズー・ソロまで披露するという展開にまでなった。
そうやって1時間半ほども十分に遊ばせてもらったところで、「それじゃ、I-DeA君。あとの編集は大変だろうけど、よろしく頼むね。今日は楽しかったね。また一緒に仕事しようぜ。いやあ遊んだ遊んだ。」と笑顔でスタジオをあとにした僕であった。

I-DeA君は、僕が膨大に録ったテイクのデータに困惑するどころか、むしろニンマリしていた。これをどうEdit(編集)するかが、Edit MasterことI-DeA君にとっての仕事であり遊びなのだ。がんばってね & 楽しんでね、I-DeA君。

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