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2007年08月08日

ライヴハウス JIROKICHI

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来週8月14日(火)に東京は高円寺にある黒人音楽の老舗ライヴハウスJIROKICHIにて、僕は僕のバンド ORITO& The Wild Dandelionで、ほぼ1年ぶりにバンド・ソロ・ライヴを行う。これには大阪の男性R&Bシンガーの超新星 JAY’ED も1曲ゲスト参加する。僕の東京での新作配信記念ライヴだ。

JIROKICHIと僕は、思えば本当に長いご縁。このお店は開店から30数年間の歴史があるはずだ。それだけでも、凄い!!僕がまだプロのソウル・シンガーを目指しての修行時代に、このお店に初めて出演させてもらった時からでさえ、もう15,6年の歳月が過ぎた。このお店の名前は、僕が上京する前から聞き及んでいた。当時から「ブルースやソウルを演奏して、自らの名を全国に轟かせプロになりたいのなら、まずは東京高円寺のJIROKICHIでレギュラー出演できるようになることが、絶対的な登竜門だ。」みたいなことをあちこちで聞いていた。実際そのころ、僕は客としてこのお店での並み居る出演者の人々のライヴを体験してみて、いつも感激させられたし勉強させられたし憧れを抱かされた。

それで僕も、黒人音楽のプロ・シンガーを目指して上京したときの第一目標を、「JIROKICHIと米軍基地で歌えるようになること」と設定していたものだ。当時の僕の最大の夢だったレコード・デビューでさえ、JIROKICHI出演のそのまた後の目標だった。
僕世代のBLUES/SOULプレイヤーにとっての高円寺JIROKICHIの存在とは、今の日本の若いHip Hop/R&Bプレイヤーにとっての渋谷のclub HARLEMと同じ、あるいはプロ野球選手を目指す高校球児にとっての甲子園と同じ、プロへの登竜門、と言えばわかってもらえるでしょうか。

だから、努力の甲斐あって僕と僕の当時のソウル・バンドが、JIROKICHIのテープ審査に合格して遂にJIROKICHI出演が叶って、このお店の前売りチケットをJIROKICHIのエンジニアのワオさんから初めて受け取った時は、僕はレコード・デビューという大きな夢を叶えるための最初の難関を突破した感激で思わず涙を流してしまい、ワオさんたちを驚かせしまったものだった。当時は黒人音楽で身を立てることは、それくらい狭き門だった。
そしてその後の僕はおかげさまで、このお店で名を上げたミュージシャンの人たちの通例に漏れることなく、レコード・デビューの夢も叶えることが出来たし、僕の名が少なくともソウル・ファンの間では全国に知られることにもなりました。

そして、レコーディング・アーティストとしてのここ5年間の沈黙期間でさえも、一番たくさんライヴをやらせてもらったのも、やはりこのJIROKICHIでだった。このお店は僕の故郷。いろんな事情があって、帰郷できない時期も何度かあったが、やっぱり故郷。

だから、僕はこの度の新作の配信記念ライヴを、このお店で行うのです。
JIROKICHIの皆さんありがとうございます。これからも、よろしくお願いします。

2007年08月15日

アル・グリーン

ソウル歌手のアル・グリーンは、僕ORITOの音楽人生最大の英雄・恩人・目標の一人だ。

というより、ORITOという存在は、アル・グリーンという名の「広大にしてまさにエヴァー・“グリーン”な樹海」の中の、小さな樹木の1本に過ぎない。僕はとどのつまり、彼のDNAを受け継ぐ数多の子孫たちの一人に過ぎないのだろう。
その証拠に、これまでORITOの歌う楽曲が発表されると自作・客演作を問わず、音楽評論家さんたちがそれに批評を加える際に、最も引き合いに出された常套句が、やはり「まるでアル・グリーンのような・・・」だった。僕が歌うたびに、誰かがアル・グリーンの名を語るのでした。このことは、この10数年間にわたって変わらない事実。僕自身がこのことについては、デビュー当時は呪縛的な重圧を感じたりもしたし、今に至っても大御所アル師の足元にも及ばない自分の実力についての、やるせなさを感じたりもする。

もちろん、それを誇りに思うこともある。だって、実に多くの他の日本人のシンガーさんたちが、アル師の名曲 Let’s Stay Together をCDやライヴでカヴァーして歌っているのを見聞きしてきたが、彼らはそれでも「アル・グリーンのようだ」とはあまり言われたりはしない。 逆に僕は、アル師のカヴァー曲を歌っていなくても、アル・グリーンっぽいと言われる。それに今の日本では、サム・クックやスティービー・ワンダーやマーヴィンやJBやアレサや、R・ケリーやディアンジェロやジョデシーやジョーや、シャーデーやTLCやローリン・ヒルやアリーヤやビヨンセやミッシー・エリオットの後継者は本当に多いんだけれども、その中でアル・グリーンの後継者と見られているのはやはり僕ぐらいだろう。僕はなんだかんだ言ってもアル師の大ファンなんだから、これを喜ばないのは自己欺瞞であると、ようやく最近思えてきた。呪縛から解き放たれてきた。

ただ、だからこその強い念願もあった。「日本の若いR&Bファンたちに、もっとアル・グリーンのことを知ってほしい。彼の偉大さをわかってほしい。そうすれば僕自身のことも日本の若い人々からもっと評価されるはずだ。」という切なる願いだ。

この僕の念願が、あるいは今度こそ叶うのではと思えるほどの一大トピックが最近舞い込んできた。9月に発売予定のアル師の新作アルバム。これの制作に、アル・グリーンを知らない今の若いHip hop/R&Bファンたちなら知らないはずがない、若手のスター・アーティストたちが参加協力しているという。制作総指揮がザ・ルーツのクエストラヴ、アンソニー・ハミルトン、アリシア・キーズ、ジョス・ストーン、ディアンジェロらが参加しているという。「そうかあ、そういえば彼らもインタビューとかで、アル・グリーンが好きだって言ってたもんなあ!嬉しくなっちゃうなあ!!とうとうやってくれたかあ!!」

よおし、これに呼応して僕もこれから活発化していくORITOの一連のライヴで、必ずアル・グリーンの曲を歌おう。僕なりにささやかにアル師の偉大さを讃えよう。
もしアル・グリーンが来日ツアーをするのなら、一晩だけでも前座をやりたいなあ。

2007年08月24日

バンド・ライヴは やっぱりいいね

ORITO新作配信記念の東名阪ライヴ・ツアーの初日のライヴを、8月14日に東京高円寺のJIROKICHIで行った。

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大盛況だったし、演奏もパフォーマンスも、手前味噌ながらグレイトだった。お客さんも大満足だったに違いない。今の日本にうちのバンドのような、日本語オリジナル曲中心のステージ構成なのに、本場アメリカのかつての黄金期のソウル・レビューのエンターテイメント性をしっかり再現できて、さらに日本古来の風土性・精神性やら現在のHip Hop/R&Bの空気感をもあたりまえのように体現できて、お客さんを心底泣き笑いさせられるバンドは、まず他には見当たらないことだろう。このバンドのライヴを体験してもらえれば、これが大言壮語でないことが、きっとわかってもらえることと思う。

ライヴ当日の僕は、朝から緊張していた。ORITO & The Wild Dandelionのライヴは10ヶ月ぶりだし、そこへもってゲストのJAY’ED(かつてはこのバンドのコーラスだった)がこのバンドで歌うのは3年ぶりくらいだったから。今夜うまくやれるのかな? という不安が、どうしても心をよぎった。

当日のJIROKICHIでのリハーサルを開始する直前に、僕の緊張と不安感はピークに達していた。だが、バンドの皆さんはリラックスした感じで、楽器のセッティングをしたり談笑したりしている。そこへJAY’EDが到着した。彼は3年半ぶりに戻ってきたJIROKICHIの店内を見回して、感慨深げな様子。バンドの皆さんが、久々の再会の挨拶をするJAY’EDを笑顔で迎え入れている光景を見て、僕の緊張感も少し和らいだ。少しの間ブランクがあったが、このバンドのファミリー的な結束をとても嬉しく思えた。

リハーサルが始まって2,3曲も歌うと、僕の緊張と不安はすっかり消えていた。久々の演奏なのに、みんなしっかり僕らのバンドのサウンドと歌声を余裕しゃくしゃくでキープしてくれている。「これだよ。これ!これがこのバンドの世界だよ。」と、嬉しくなった。僕の不安は杞憂だった。バンドの皆さんは「あたりまえじゃん。」みたいな風情でいる。

リハーサルの中盤、JAY’EDがSadieを歌う。かつて彼が愛着を込めてこのバンドで歌った曲の再現だ。彼は、明らかに緊張していた。あら、まあ。3年前にうちのバンドを卒業してから後、クラブ・シーンでメキメキと頭角を現してメジャー・デビューも決まり、今や次世代のJ-R&Bシーンを担っていくはずの超新星と呼ばれる立場にまで出世した彼が、「今日、JIROKICHIで久しぶりに一緒にやらせてもらって、3,4年前にこのバンドで修行させてもらっていた駆け出しの頃の緊張感が甦ってきました。」と、身を硬くして瞳が宙を泳いでしまっている。

僕は自分がさっきまで彼以上に緊張していたことを棚に上げて、「大丈夫だよ、JAY’ED。のびのび歌ってよ。後は俺たちがきっちりまとめるからさあ。」なんて偉そうに先輩ヅラをした(笑)。そんな感じで僕らは和気あいあいと、本番に突入していった。

ライヴ本番のことは、ここではあえて書きません。うちのバンドのライヴがどんな感じかは、実際に会場に体験しに来てもらわなければね。9月1,2日の名阪ツアーを、是非ともお見逃し無く。

さわりだけでも知りたい人は、mixiのORITOコミュで、5分間に編集したこのライヴの映像をご覧あれ。

mixi ORITO コミュ
http://mixi.jp/view_community.pl?id=328876

2007年08月29日

僕なりの歌の練習 その1

8月の14日の高円寺JIROKICHIライヴを皮切りに、しばらくの期間ライヴが断続的に続く。そのすべてが、僕のバンドのソロ公演かライヴ・イベントのメイン・アクトの1人としての出演。これは、喜ばしいことであり、かつ責任重大なことだから、当然僕はライヴに向けての個人練習やメンタル&フィジカル・トレイニングをすることになる。もうかれこれ25年間も歌い続けてきているけど、これをサボってライヴの舞台に上がる勇気は僕には未だもって無い。これは他のシンガーさんたちも同じことだろう。

ライヴの日が近づいてくると必ず、一時的に僕は様々な重圧感や緊張感や不安感でいっぱいになる。「お客は来てくれるのだろうか?僕はお客を満足させられる歌とパフォーマンスができるのだろうか?このライヴを乗り切るだけの体力と体調を維持できるのだろうか?歌詞を忘れてしまいはしないか?声が出なくなったらどうしよう。興行収支が大赤字になったらどうしよう。こういう重圧を感じている僕の姿が、僕のスタッフや家族に不安感や危機感をもたらしてしまったらどうしよう。」などなど。

こういう重圧や不安感に立ち向かうための、あるいはそういう感情から逃避するための、唯一最大の方策は結局のところ「練習」しかない。本当にこれしかない。

デビュー前後2年間の僕の個人練習は、レコード会社のリハーサル・ルームで行っていた。だが、これはもうやらない。2度とやるつもりはない。なぜか?リハーサル・ルームの設備の行き届いた密閉された空間の中で練習時間がきっちり決められた状況で、独り練習を続けるうちに僕の歌声と歌に対する姿勢が、温室育ち的な脆弱さとサラリーマン的な杓子定規さを帯びるようになり、「引き篭もり」の人間の独白のような閉塞感が僕の歌声に宿るようになってしまったからだ。これは僕らしくないし、これじゃ駄目だと、ある時思った。

このことに気づいてからは、練習の環境と方法をガラリと変えた。

森林や遊歩道の多い郊外に引っ越して、野外で歌の練習をするようになった。しかも、けっして立ち止まらない。近所の森林や遊歩道の中を、歩き回りながら歌うのだ。気分と体の血行がのって来るまでの最初うちは、四季折々の森のざわめきや小鳥たちや虫たちでも眺めながら、鼻歌でも歌いつつぶらつく。そうするうち、心身が高揚してくると僕の歌と足は止まらなくなる。やがて自然と声は大きくなり、歩く速度は歌う曲にあわせてテンポを変える。そのまま、手足を動かして踊ったりもする。野外だから、僕とすれ違う人々や僕を遠目に見る人々が唖然としたり嬉々としたりする。僕は彼らの視線を感じて、恥ずかしさを覚えもするが、その半面彼らに対して「俺の歌、どうよ?いい感じ?俺の歌をタダで聴けて得したね。」などと不遜な思いすら抱きつつ、歌いながらその場を歩き去っていく。

今日は歌の練習をすると決めた日は、天候が雨だろうが風だろうが雪だろうが真夏の炎天下だろうが、必ず野外に出る。だが、練習時間と何を歌うかはその日の集中力次第。高い集中力で練習して、体得したかった表現方法がゲットできた日は、練習を短時間で打ち切るし、体調や悪かったり雑念に苛まされたりしてなかなか練習の成果が見えない日は、6,7時間かけても自分で納得がいくまで断続的に歌い続けるのだ。ライヴが近いからといっても、ライヴの演目を練習するとも限らない。僕が外に歌の練習に行くというと、家族から「じゃ、ついでにスーパーであれとこれを買ってきて。銀行でお金を出し入れしてきて。」と、お使いを申し付けられることも多々ある。そんな場合も、僕はこれを引き受ける。買い物袋を肩から下げたり銀行の通帳や預金を大事に隠し持ちながら、歌の練習をする。家のお使いと歌の練習を一緒にやって、何がいけない?

こういう練習を重ねるうちに、四季折々の自然や天候に晒されぬいた逞しさと叙情性、音楽業界の常識や時間に囚われない開放感、巷にありふれたリアルな生活感が、僕の歌声に宿るようになってきたと思う。ORITOの歌は、こうでなくてはつまらない。

2007年08月30日

ORITO大阪名古屋に登場!

いよいよ今週末はオリトのライブが大阪、名古屋で開催されます。

9月1日  大阪 京橋 ヴェロニカ 前売 ¥3500 当日¥4000
問い合わせ:ヴェロニカ(6月15日より予約販売開始)
大阪市城東区蒲生1−8−4 Tel:06-6939-9292

9月2日 名古屋 今池 得三 前売 ¥3500 当日¥4000
問い合わせ:得三
名古屋市千種区今池1-6-8 ブルースタービル2F tel/fax: 052-733-3709

バンドでの名阪ライブはめったにありません。この機会に是非足をお運びください。